法人税とは

法人税の課税根拠

 法人税とは、法人の所得に対して課税される国税です。

 法人税の課税根拠については、理論面からは法人の実態に着目して法人に独人の担税力を認めて課するものであるとする考え方と、法人に独自の担税力を認めないが、課税の便宜上個人所得税の前取りとして課するものであるとする考え方の2つの考え方があります。

 

【法人実在説】…法人は個人とは別に独立して存在しており、法人自体が経済取引をする権利能力をもっているとする考え方

 

【法人擬制説】…法人とはもともと個人が共同して事業をする手段として作られたものであり、経済取引の主体とはなるが、それは法律によって人格を擬制的に付けたためにすぎないとする考え方

 

 

 法人擬制説によれば、法人の利益は、その構成者である個人、つまり出資者に分配されるもので、法人の利益は株主のものと考えます。この考え方によれば、法人の所得に対して法印税を課し、さらに個人の所得に所得税を課すことは二重課税になりますので、株主個人への分配は、その分配を受けた株主においては既に法人税が前払いとして課税されていることから、所得税の申告において配当控除等で差引調整することとされ、配当の受け取りが法人である場合においても、二重課税とならないように益金不算入とされています。