個人課税関係誤りやすい事例(所得税法関係)

【誤】

 平成27年度中に購入した取得価額10万円以上20万円未満の器具備品について一括償却資産として申告(3分の1の金額を必要経費算入)していたが、平成28年中にその納税者が死亡した場合、取得価額の3分の1をその者の平成28年分の必要経費とし、残額については必要経費算入できないとした。

【正】

 一括償却資産の規定の適用を受けている者が死亡し、その規定に従い計算される金額のうち、その死亡した日の属する年以後の各年分において必要経費に算入されるべき金額がある場合には、その金額はその者の死亡した日の属する年分の必要経費に算入する。ただし、その者が死亡した日に属する年以後の各年分において必要経費に算入される金額があり、かつその者の業務を継承した者がある場合のその金額の取扱いは、一括償却資産の規定に従い計算する金額を限度として次によることとして差し支えない。

(1)その者の死亡した日に属する日

  ⇒その者の必要経費に算入する。

(2)その者の死亡した日の属する年の翌年以降の各年分

  ⇒その業務を継承した者の必要経費に算入する

 

【誤】

 平成28年に中小事業者(常時使用する従業員の数が1,000人以下である青色申告者)が、26万円のパソコン11台と23万円のパソコン1(合計309万円)を購入、使用した。

 これらのパソコンを少額減価償却資産として、全額平成28年分お必要経費に算入していた。

【正】

中小事業者が、平成184日以後、平成30331日までに30万円未満の少額減価償却資産(少額な減価償却資産や一括償却資産の適用を受けるものは除く)を取得した場合で

、その年に取得等をした少額減価償却資産の取得価額の合計額が300万円を超える場合には、その取得価額の合計額のうち300万円に達するまでの少額減価償却資産の取得価額の合計額を限度として必要経費に算入する。

 事例の場合、286万円(26万円×11)は必要経費に算入できるが、23万円のパソコンについては通常の減価償却を行うことになる。

 

  業務を開始した日又は廃止した年は、300万円を12で除し、業務を営んでいた月数(端数切り上げ)を乗じた額が限度額となる。