個人課税関係誤りやすい事例(所得税法関係)

【誤】

 公的年金以外の雑所得が赤字で、公的年金等の所得がある場合、その赤字を公的年金等の所得から差し引かなかった。

【正】

公的年金以外の雑所得が赤字で、公的年金等の所得がある場合、その赤字は公的年金等所得から差し引くことができる。

 

【誤】

 公的年金受給者であっても、第3期分の税額がある場合には納税義務が発生することから、必ず確定申告書を提出しなければならないとした。

【正】

 平成23年分以後の所得税の申告については、公的年金等に係る雑所得の収入金額が400万円以下で、かつ公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合には確定申告書の提出を要しないこととされた。

 なお、この場合であっても、所得税の還付を受けるための申告書や、損失を繰り越すための申告書等は提出することができる。

 

【誤】

 所得税の申告不要制度の適用を受けた公的年金等受給者に対して、住民時の申告も不要であると説明した。

【正】

 公的年金等受給者の申告不要制度に該当する場合であっても、住民税には申告不要制度がないため住民税の申告が必要となる。

 ただし、給与所得以外の所得又は公的年金等に係る所得以外の所得を有しなかった者で、申告において各種所得控除等の適用を受けない者又は所得割の納税義務を負わないと認められる者のうち市町村の条例で定めるものについては住民税の申告は必要ない。

 

【誤】

 確定申告書の撤回を申し出た公的年金等受給者に対して、一度申告した者は撤回ができないと指導した。

【正】

 公的年金等受給者の申告不要制度に該当する者が、当初申告において第3期分の税額が記載された確定申告書を提出した場合で、後日当該申告書を撤回したい旨の書面による申出があったときは、その申出の日に当該申告書の撤回があったものとし、当該申告書に係る第3期分の税額を還付するとして取り扱うこととされている。

 また摘花いふぉは無申告となるため、後日、申告漏れ等が判明した場合には無申告加算税が賦課されることとなる。

 

 なお、当初申告が還付で提出され、期限後に修正申告等により納税となる場合は、当該申告書の撤回はできない。