社長から会長になったときの役員退職金

【Q】

代表取締役社長を退任して代表権のない会長になるタイミングで、役員退職金を支給したら損金にできますか

 

【A】

会社に籍を残したままでも、実質的に退職したのと同様の状況である場合は、退職給与として損金にできます。ただし、代表取締役社長を退任したといっても、表面上だけである場合は扱いが異なってきます。

 

【解説】

役員退職金の打切支給

役員が職務分掌の変更等によって、会社に籍を残しながら実質的に退職したのと同様の状況になり、その時点で役員退職金を支給(打切り支給)した場合、これを退職給与として扱い、損金に算入することができます。ただし、ここで注意が必要なのは、「実質的に退職したのと同様」でないといけないということです。形だけ社長から会長に退いても、実質的にその後も経営に関与しているようではダメなのです。

具体的には、以下のような場合に退職給与として扱うことができます。

①非常勤役員になる

常勤役員であった者が非常勤役員になった場合

(非常勤であっても、代表権を有する者は除きます)

②監査役になる

取締役が監査役になった場合

③その役員の給与が激減

おおむね50%以上減少した場合