年末調整のチェックポイント

【社会保険料控除の確認】

①申告された社会保険料は、給与所得者本人又はその人と生計を一にする親族が負担することになっているものであり、かつ、給与所得者本人が支払ったものですか?

②未払いの社会保険料は含まれていませんか?

③国民年金の保険料又は国民年金基金の掛金について、支払ったことが分かる証明書類を確認しましたか?

(注)給与から差し引かれる健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料などは、申告する必要はありません。これらの保険料は、申告するまでもなく社会保険料控除の対象となります。

 

事例によるQ&A

 

【問】従業員Cの保険料控除等申告書には、支払った国民年金保険料の金額の記載があります。国民年金保険料については証明書が必要とのことですが、Cに証明書の提出を求めたところ、平成24年分の国民年金保険料の領収が提示されました。確かに領収日付印は平成28年11月となっていますが、このように古い年分の国民年金保険料について社会保険料控除の適用を受けることが可能なのでしょうか?

 

【答】これまで、国民年金保険料は納期限から2年を経過すると時効により納付することができませんでしたが法改正による時限措置で平成27年10月1日~平成30年9月30日までの間について、過去5年間の国民年金保険料の未納分を納付することが可能とされました。 社会保険料控除は、給与所得者又はその給与所得者と生計を一にする親族が負担すべき社会保険料を支払った場合に控除を受けることができるとされており、その社会保険料が過去の年分のものであっても社会保険料控除の対象となります。

したがって、給与所得者が、平成28年10月から12月末までの間に後納保険料を納付した場合は、保険料控除申告書の「社会保険料控除」欄に所定の事項を記載し、納付時に受領する「納付書・領収証書」を提出又は提示することで、年末調整により社会保険料控除の適用を受けることができることとなりますので、Cさんは平成28年11月に納付した後納保険料について、社会保険料控除の適用を受けることができます。