社長の建物を会社が賃借する場合の注意点

その建物を第三者から借りた場合に支払う「通常の家賃」よりも高い家賃を支払った場合には、その差額部分は役員給与として取り扱われます。

 

【解説】

会社が支払う家賃及び役員が受け取る家賃それぞれの税務上の取扱いは、その家賃の水準に応じて以下のようになります。

 

)「通常の家賃」を年額300万円とする

(1) 「通常の家賃」より低い場合(200)

→会社(借主) 特別な課税関係は生じません。

 地代家賃 300/現預金 200

        /受贈益 100

→役員(貸主) 受け取った金額(200)が受取賃借料として不動産所得の総収入金額に算入されます。

 

(2)「通常の家賃」の場合(300)

→会社(借主) 特別な課税関係は生じません。

 地代家賃 300/現預金 300

→役員(貸主) 受け取った金額(300)が受取賃借料として不動産所得の総収入金額に算入されます。()

 

(3)「通常の家賃」より高い場合(600)

→会社(借主) 支払った家賃と「通常の家賃」と差額は役員給与となります。

 地代家賃 300/現預金 600

 役員給与 300

 

→役員(貸主) 通常の家賃(300)が受取賃貸料として不動産所得の総収入金額として算入され、「通常の家賃」を超える部分(300)は給与課税を受けます。

 

 

※…同族会社の役員がその同族会社から給与のほかに不動産の賃借料を受け取っている場合には不動産所得の金額が20万円以下であっても確定申告が必要になります。