精算時課税制度を選択したほうが有利なケース

相続時精算課税制度は上手に活用すれば相続税も含めた税金対策になるそうですが、どのようにすればよいのでしょうか?

 

①将来値上がりする可能性の高い財産を贈与する。

 

二極分化の現代、今後の資産価値の予想は非常に困難です。そのような中でも将来値上がりが予想できる不動産としては(例:ここ数年のうちに市街化区域に編入されることが予想される調整区域内の土地や収用予定地など)現在は評価額が低いにもかかわらず、将来その利用価値や環境改善が予想され評価額上昇が望めるのもであれば、評価の低いうちに贈与することは大事な視点です。

また、今後の増益が期待できる自社株式を贈与するのもよいでしょう。ただし非上場株式の相続税について納税猶予を適用するつもりの方は、精算時課税制度はさけてください。

 

②評価額をさげてから贈与する。

 

現金に比べると、建物やゴルフ会員権などの評価額は実際の取引価格よりも低くなっています。なお、賃借している場合は借家権割合は30%でこれを控除すれば、その評価額は大幅に下落します。

相続時精算課税制度により贈与する場合には、このように評価を下げてから贈与するとよいでしょう。

 

③着実に収益を生む財産を贈与する。

 

賃料収入が確実に入ってくる物件を贈与すると、低い評価で贈与でき、安定収入がそのまま後継者に移転できるというメリットがあります。が、老朽化した建物等は修繕費などの負担により、かえって経済的に持ち出しが多くなることも考えられるので、注意が必要です。

 

④特例を活かすために贈与する

 

居住用財産の譲渡特例を活用するための贈与

父母又は祖父母が所有している子や孫の自宅の敷地を売却した場合、居住用財産の譲渡所得の特例は使えませんので、父母又は祖父母からの自宅の敷地を贈与してもらえば、子や孫にとっては土地も家屋も居住用となるので、3000万円の特別控除や軽減税率を活用できます。