相続税と贈与税の比較

相続税は人が亡くなったときに納める税金ですから、生前に全部の財産を贈与して遺産がなくなってしまうと、相続税はかかりません。このような不公平な事態をなくし、相続税を補完する税金が贈与税です。したがって、贈与税の累進税率は相続税の累進税率よりはるかに高く、また、贈与税の基礎控除額（年間110万円）は、相続税の遺産に係る基礎控除額（3,000万円+600万円×法定相続人の数）とは比較にならないほど小さな金額になっています。家族に財産を生前に贈与して相続税を納めるか、又は相続が発生してから相続税を納めるか、どちらのほうが税金の負担が軽くてすむかはケースによって違います。簡単にいうと、一時に全財産を移転する場合は、実効税率の低い相続税が有利といえるでしょう。しかし、贈与は好きなときに、好きな人に自由に出来ますから、相続税の実効税率よりも低い税率の範囲内で行うならば、贈与のほうが有利となるでしょう。